広島平和記念公園は、近年外国人からの注目度が高い日本の観光スポットです。
世界文化遺産の原爆ドームの他にも、平和記念資料館、死没者慰霊碑、原爆の子の像など、広島の平和のシンボルが多数集まる場所です。2016年には、オバマ大統領(当時)が訪れたことでも有名です。
最近では、G7サミット期間にゼレンスキー大統領が電撃訪問したことでも話題となりました。世界で初めての被爆都市、広島の歴史を肌で感じられる場所です。
原爆死没者慰霊碑
公園の真ん中にある原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)は、原爆で亡くなられた方の名前を記帳した名簿が納められている場所です。よくニュースで献花が報道されている慰霊碑です。
平和都市として再建することを願って建てられました。
原爆死没者の霊を、雨露から守るイメージでデザインされています。
屋根の下、石棺には「安らかに眠ってください 過ちは繰返しませぬから」との碑文があります。被爆犠牲者の冥福を祈り、戦争を再び起こさないという誓いの言葉です。
悲しみを味わい、苦しみを乗り越え、平和を願うヒロシマの心が刻まれた慰霊碑です。
原爆ドーム
世界文化遺産に登録されている「原爆ドーム」です。原爆の遺構として、補強・修復を経て現在まで残されています。
原爆がほぼ真上の上空で爆発し、爆風が上から垂直に吹いたため、厚い造りだった壁や鉄骨枠がなぎ倒されることなく、倒壊しませんでした。
原爆の子の像
2歳で被爆し、11歳で白血病を発症、12歳で亡くなった佐々木貞子さんがモデルとなった像です。佐々木さんが亡くなったことを知った同級生が資金を集め、原爆で被害を受けた子どもたちの慰霊のために建てました。
佐々木さんは入院中、薬の包み紙で折り鶴を折っていました。千羽の鶴を折ると願いが叶うと信じ、自らの病気の治癒を願って折り続けていたそうです。
このことから、銅像のモチーフに折り鶴が使われています。銅像の周りには、今もたくさんの折り鶴が収められています。
平和の灯
8月6日生まれの広島の少女7名によって、1964年8月1日に点火されて以来ずっと燃え続けています。原爆の熱線を浴び、体中の水分が一気に蒸発してしまった人びとは、水を求めてさまよいました。
水を求め、そのまま亡くなっていった犠牲者をなぐさめ、核兵器の断絶と平和を願っています。灯火が燃え続けているのは、核兵器断絶が実現するまで燃やし続けることで平和の象徴として掲げ続けよう、との思いが込められているからです。
火種は、全国12宗派からの「宗教の火」や全国の工業地帯から集めた「産業の火」です。宮島の弥山にある「霊火堂」の「消えずの火」もここに含まれています。
平和記念資料館
原爆による惨状を伝えるための資料館です。中には被爆者の遺品など、約2万点が収蔵されています。
展示物は、被害者・遺族のエピソード付きで紹介されているものが多く、悲惨な歴史が現実に起こったものだと見せつけられます。強烈に訴えかけてくる展示品の数々に、言葉を失います。
相生橋と元安川
原爆ドームの目の前を流れる元安川、晴れている日などは美しく穏やかな景色も見られます。原爆当時はこの川にたくさんの遺体が沈み、今でも遺品や残骸が川底に多く残されています。
またT字に架けられた橋は「相生橋」といって、米軍の中で原爆投下の目印とされた場所です。2つの川の合流地点にT字で架かる橋は特徴的で、広島の土地勘がないアメリカ兵にも上空から見た時に分かりやすくて、目立っていたからです。
平和記念公園レストハウス
爆心地から170mの場所にあるこちらの建物は「レストハウス」です。広島の名産品やお土産、休憩スペースが提供される憩いの場として、観光施設になっています。観光案内も充実しています。
元々は呉服店でしたが、戦時中の統制令により閉鎖しました。その後、燃料関連の施設となりましたが、原爆により全焼しました。爆心地の近くではあったものの爆心地側に扉などが無く、堅固な造りの建物だったため、基本構造はそのまま残りました。
当時、中で勤務していた人たちは、たまたま地下に書類を取りに行っていた1人を除いて、全員即死しました。
- 営業時間
- 8:30~17:00(12月1日~翌2月末日まで)
- 8:30~18:00(3月1日~11月30日)
- 8:30~19:00(8月、ただし8月5日は20:00まで)
- 7:30~20:00(8月6日)
- 年中無休
- お土産ショップは9:00~です(細かな営業時間は下記公式HPをご確認ください)
- https://hiroshima-resthouse.jp/hours
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館
資料館近くにある「原爆死没者追悼平和祈念館」では、被爆者の証言映像を見ることができたり(※多言語対応しています)、手記を読んだり、関連資料を閲覧できます。
外国の方が多く、熱心に映像に見入っている様子が非常に印象的でした。
内部は展示スペースごとに撮影可否が変わるので、ご注意ください。
- 営業時間
- 3月1日~7月31日 8:30~18:00
- 8月1日~8月31日 8:30~19:00(8月5日、6日は20:00まで)
- 9月1日~11月30日 8:30~18:00
- 12月1日~2月末日 8:30~17:00
- 定休日 12/30~12/31
- https://www.hiro-tsuitokinenkan.go.jp/
ヒロシマへ歴史を学ぶ旅に出かけませんか。
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