東京都文京区にある「小石川後楽園」は、江戸時代に水戸徳川家の祖・頼房が造った庭園です。完成したのは二代藩主・光圀の頃でした。光圀は庭園を造るにあたって中国の専門家の意見を取り入れており、中国の風物が感じられる豊かな庭園に仕上がっていることが特徴的です。
季節の花も楽しめます。特に春先の梅と桜、5~6月のカキツバタ・花菖蒲・キキョウ、秋の紅葉が有名です。
目次
小石川後楽園の満開の桜
小石川後楽園では3月下旬~4月中旬頃まで桜が楽しめます。2023年4月5日現在、庭園内のヤマザクラとソメイヨシノが満開でした。枝垂桜の見頃はそれよりも早く、3月中旬~下旬だったので既に散っていました。
その他、園内には花桃なども咲いています。
文京区の小学生が毎年田植えと稲刈りをしている稲田
光圀は農民の苦労を教えるために、庭園内に稲田を設けました。こちらの稲田では、東京都文京区に住む地元の小学生が、毎年5月に田植えをして、秋に稲刈りをしています。
彫刻が美しい唐門はかつて後楽園への正式な入口だった
唐門は、当時の後楽園への正式な入口でした。私的な空間の「内庭」と「後楽園」との境にある門です。1945年に空襲で焼失してしまいましたが、東京都の復元工事を経て、令和2年から一般公開されています。東門から入園すれば、庭園の本来の流れに沿った鑑賞ができて、より楽しめます。
扁額も焼失していましたが、大正時代の文献にあった古写真を元に復元されました。美しい彫刻は、よく見ると雰囲気が日光東照宮の彫刻に非常によく似ています。
中国の趣を感じる庭園
光圀は中国(明)の庭園の専門家に意見を伺いながら作庭していったので、園内は中国の風物が取り入れられています。また「後楽園」の命名も、中国の書物「岳陽楼記(がくようろうき)」に記載されていた「天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」に由来しています。
庭園の中心に琵琶湖を模した大泉水
小石川後楽園の中心にある大きな池は「大泉水」といって、琵琶湖を模しています。池には蓬莱島と竹生島を配置しています。非常に優雅で壮大な景観となっています。
大泉水のほとりにある「一つ松」は、大津の「唐崎の一つ松」を見立てて植えられたものだといわれています。光圀はこちらの松をとても大切にしていたそうです。
小石川後楽園の入口はどこ?西門と東門
小石川後楽園の入り口は「西門」「東門」の2箇所あります。東京メトロ丸の内線「後楽園駅」から来る場合は、東京ドームに沿って歩いていき、黄色い建物の前にある「東門」から入るのが近いです。
上述しましたが、東門から入れば内庭から後楽園へ入るという当時と同じ正式な流れで庭園の鑑賞ができます。もちろん西門から入ることも可能です。お土産やグッズの販売、お茶屋は西門にのみあります。東門には入園券の販売以外何もありませんでした。
小石川後楽園の基本情報・アクセス
- 所在地:東京都文京区後楽1丁目6−6
- 拝観時間:9:00~17:00(入園は30分前まで)
- 休園日:12月29日~翌年1月1日
- 駐車場:なし
- 拝観料:300円
- 公式HP:公益財団法人 東京都公園協会
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