旅には様々な移動手段がありますが、高速バスは新幹線に比べて安いです。格安で長距離を移動出来る高速バスは、我々旅人にとって強い味方です。
しかし、高速バスといえば脳裏によぎるのが「事故」です。特に、ブラックな働き方をして疲れ果てた過労運転手さんによる人身事故をニュースで見かけたことが無い人はゼロではないでしょう。
さて先日、私は名古屋出張の際に高速乗合バス「WILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス)」を利用してきました。WILLER EXPRESSというバス会社は、過去に大きな事故を起こしたことがあります。
過去のことを調べた上で、安全性を確かめてきたので、レポートとしてまとめます。ご利用予定のある方は、参考になさってください。
目次
バス会社「WILLER EXPRESS」の過去の人身事故(TDL帰りに事故)
「WILLER EXPRESS」は、2015年に衝突・横転する大きな事故を起こしました。ダンプカーと衝突し、茶畑に突っ込みました。幸い茶畑がクッションの役割をしたようで、大破はしませんでした。
バス運転手1名、バス乗客1名、ダンプカー運転手1名が負傷してしまいました。
そんなウィラーエクスプレスを今回予約して、乗車してきました。
ウィラーエクスプレスの安全性を確保する取り組み改善について
このときの事故理由は、運転手の過労でした。一番最悪の事故理由です。バス運転手は、11連勤で休みなしだったそうです。
しかしこの運転手の勤務は、実は「群馬の関越自動車道高速ツアーバス事故(平成24年)」を受けて、さらに厳格化された法律・規則のルールの範囲内の勤務状況でした。
これで「範囲内」だったのです。バス会社は、規則に違反して超過労働させていた訳ではありませんでした。それなのに、事故が起こってしまいました。守ったところで事故が起こるとなると、そもそも規制している法律や規則自体に疑問が湧いてくるのも仕方ありません。
正確にはウィラーの運行委託業者の運転手が起こした事故
ニュースの報道を見ていると、「ウィラーエクスプレス」がやばい…といった印象を受けてしまいますが、正確にはウィラーエクスプレスが運行委託していた「ロウズ観光」に所属する運転手が起こした事故です。
高速バスでの事故は、そのバス会社自体に所属している運転手ではなくて、運行委託されたいわば下請け会社に所属する運転手が引き起こしていることもままあります。
バスは便によって、そのバス会社自体が運行している便と、下請けで運行委託した会社が運行している便といろいろあります。
同じバスを使っているので、外観からは分からないのですよね。
色々あってからドライバーの眠気予兆感知システムが導入された
ドライバーの耳と首に装着するもので、本人が自覚していない眠気を耳の脈波で検知し、リアルタイムでドライバーと管制室に通知するシステムです。システムは「FEELythm」という名称です。
首につけた装置から振動を起こし、注意をうながしてくれます。また、営業所にいる運行管理者にも、眠気の検知を含めたバスの運行状況がリアルタイムで共有されるのが特徴です。
眠気を察知して事前に警告してくれます。
最近は車にも危機察知システムの搭載が増えてきましたが、バス会社でもそういったシステムを取り入れているところは意識が高いところです。かなりのコストが掛かっても、安全を優先している証拠です。
「FEELythm」は、ドライバー本人が気づかない眠気の予兆を感知できます。合わせて、疲れが出やすいタイミングなど個人にあわせたデータを管理できるので、大きな事故を防げています。さらに、車庫に入れる時にこするなどの小さなミスも半減してきました。
『FEELythm』に加え、車載カメラで走行中の様子も営業所で確認可能です。何かあってからではなく、起こる前にサポートする体制を構築しています。
それから運転手の健康診断も、しっかりとしています。最終的には運転手の健康状態が一番大事です。
一般的な健康診断の検査項目に加え、脳ドックや、睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査、心不全や動脈硬化の指標となる検査など、あらゆるリスクの予防に努めています。
働いている運転手としてはドキドキかもしれませんが、こういった抜き打ちテストしているそうです。
それに加えて、抜き打ちでテストを行なうこともあります。常に緊張感を持って仕事に取り組める環境も大切だからです。また、優良ドライバーの認定制度をつくり、優秀なドライバーの仕事ぶりをしっかり称える制度もつくっています。
取り組みとしては、様々なことをやっていることが分かります。利益優先で法令で強制されること以外は特に何もやっていないバス会社もありますので、そういった会社に比べれば、かなり真面目に安全性と向き合っているバス会社といえます。
点検も毎日行っています。採用しているバスはすべて新車、5~8年で新しい車体に交換しています。
運行中の休憩タイミングでも打音検査を行うなど、徹底して安全性には配慮しています。
水を差すようで申し訳ないが、いくら気を付けても起こるのが事故。納得できないなら乗らない判断を
いくら気を付けても起きてしまうものが事故です。いくら気を付けていても、対策を取っても、起こるときは起こってしまいます。
完璧な安全安心は、そもそもこの世にありません。
自分の行動が自分で腑に落とせるかで、判断していくほかありません。心配であれば運転手の労働管理体制をくまなく調べて、このバス会社なら大丈夫そうだと判断して乗車を決めるしかないでしょう。
どうしても気になるならば、乗らない判断をしてください。お金を払えば、陸路なら新幹線があります。速いし、安全です。
事故った格安バス会社ってどんな感じ?乗車してみる
何だかんだで乗ってみました。過去に事故ったバス会社、現在はどんな運営をしているのか気になるので、実際に乗車してきました。
相変わらず見た目は、ピンクのポップな車体でかわいいです。ピンクだからといって、もちろん女性専用というわけではなく、男性も乗車できます(女性専用席が設けられる場合もあります)。
WILLER EXPRESSのバス座席の居心地と座り心地が良すぎた
乗った瞬間、綺麗すぎてびっくりしました。座席が非常にしっかりしています。装備もばっちり。
座り心地すごく良かったです。6時間座りっぱなしでも全然平気でした。
高速バスの移動では、おしりが痛くなったり、背中が痛くなったりすることが多いですが、今回はそんなことありませんでした。
テーブルはありません
今回の車種には、背もたれにJRのグリーン車みたいなテーブルは付いていませんでした。
移動中に仕事しようとしている方は要注意です。PCは膝にのせて稼働させる形になります。
ドリンクホルダーが付いている
座席には、ペットボトルホルダーがありました。
ホルダーは深めになっているので、こぼれる心配はなさそうです。
WILLER EXPRESSのバス座席にはコンセント・電源あり
ウィラーエクスプレスには、しっかりとコンセント・電源がついています。
私が目視で確認できたのは壁側だけだったのですが、よくウィラーを利用される読者様によれば、通路側にもしっかりついているようです。
コメントくださった方、ありがとうございました。
WILLER EXPRESSの無料Wi-Fiは期待しない方が良いかも…
無料Wi-Fiがついているということでしたが、これはつながらなかったです。色んなタイミングで何度か試しましたが、全然ダメでした。接続画面に該当するWi-Fi名が登場すらしませんでした。
高速バスの無料Wi-Fiは、場所や通過地点によって不安定になりがちです。全くつながらないということは今まであまりなかったのですが、今回は運がなかったようです。
使えたらラッキーくらいのモチベーションでいると、ガッカリしないで済むでしょう。
ブランケットは各座席の上に常備
各座席の荷物置きのところにブランケットがセットされていますので、自由に使うことができます。
バス車内は寒いこともありますので、助かります。
空調とライトは窓側の座席の上に
読書灯もありました。
隠しがあるので周りを気にせず寝られます
バスや電車など移動中にうっかり寝てしまうと、総じて顔がひどくなるものですが、カバーがあれば安心です。口を開けても、白目で寝ても大丈夫です。
中の人がカバーをかけて寝てみました。変な顔がすっぽり隠れてよかったです。
フットレストがあるので靴を脱いで寛げる
ふくらはぎにあたる箇所が上下できるので、水平に近い状態で寝ることが出来ます。
リクライニングは結構倒れる
広めの車内だったので、思ったよりリクライニングが倒せる設計になっていました。新幹線で全力でリクライニングを倒した角度よりも、もっと倒れている印象です。
大きな窓の解放感
高速道路なのであまり景色を楽しむことはないかもしれませんが、大きな窓は開放的で、リラックスできます。
安定した運転と安心するアナウンス
出発前やサービスエリアに立ち寄る前後、到着前にアナウンスがありました。落ち着いた話し方で、安心感を得られるアナウンスでした。
運転も危ない場面はなく、運転手さんのおかげで目的地まで安全に届けていただきました。
しっかり下調べをして、自分が納得できるアクセス方法で行くのが一番良いです。皆様が安心安全に、楽しく旅ができますように。
たまに利用します。
コンセントは、通路側の席にも
きちんとついていますよ。
目立たない位置なため、気づいてなかったのでは?
韓国バスを使用した会社は信用できませんね。
鉄道を所有したのも信用が目的でしょう。