宇奈月といえば、法律関係者がピンとくる地名です。権利の濫用を初めて明言した大審院(現在でいう最高裁)判決が出たことで考え方が確立し、後の民法1条3項に規定が作られました。
事件の跡地として後世に残すため、石碑が建てられました。
宇奈月温泉木管事件の石碑
宇奈月温泉木管事件
民法判例百選Ⅰの最初に掲載されている判例。7km上流の黒薙源泉から、宇奈月温泉街まで引湯管で温泉を引いていました。引湯管は黒部峡谷鉄道社が管理していたのですが、一部の管が原告の土地を通過しているとのことで、引湯管の排除もしくは土地の買取をするようにと、黒部鉄道が訴えられた事件です。確かに自分が所有権を有する土地に他人の管が通っていたら、妨害排除請求できるのが原則です。しかし、当該土地はほぼ利用価値のない傾斜であり、また1坪26銭で購入したのにも関わらず1坪7円で買い取れと高額をふっかけていたことから、悪質であり権利を濫用していると判断され、請求は認められず、黒部鉄道の勝訴で確定しました。
民法判例百選Ⅰの最初に掲載されている判例。7km上流の黒薙源泉から、宇奈月温泉街まで引湯管で温泉を引いていました。引湯管は黒部峡谷鉄道社が管理していたのですが、一部の管が原告の土地を通過しているとのことで、引湯管の排除もしくは土地の買取をするようにと、黒部鉄道が訴えられた事件です。確かに自分が所有権を有する土地に他人の管が通っていたら、妨害排除請求できるのが原則です。しかし、当該土地はほぼ利用価値のない傾斜であり、また1坪26銭で購入したのにも関わらず1坪7円で買い取れと高額をふっかけていたことから、悪質であり権利を濫用していると判断され、請求は認められず、黒部鉄道の勝訴で確定しました。
引湯木管
宇奈月温泉街の旅館には、かつて利用されていた引湯管が‘展示されていますので、こちらも合わせて見学すると楽しいです。
宇奈月温泉の引湯木管
温泉管は大正12年から利用され、50年間は赤松をくり抜いた木管が使われてきました。長さ2m・太さ60cm・重さ150kgが合計3500本、なんと人力で繋ぎ合わせて地中を通しました。
現在は赤材の入手が難しくなったため、引湯管はポリエステル製になっています。
うなづき湖と岸壁を走るトロッコが見える
石碑は湖畔に建っているので、散策中には美しいうなづき湖や峡谷を走るトロッコが見えます。
宇奈月温泉木管事件石碑の基本情報
所在地 | 〒938-0282 富山県黒部市宇奈月温泉 |
アクセス方法 | ・温泉街から車10分 ・電気バスEMUに乗る ・徒歩だとやまびこ遊歩道から片道1時間 |
見学時間 | 24時間見学可 ※道端にあるので車で行けば24時間見学できるが、石碑に至るまでの道のりは暗いので、日が落ちてからはかなり危ないです。また、やまびこ遊歩道は夜間閉鎖されます。 |