宇奈月温泉のお湯は、ここ黒薙の源泉が引かれています。深い峡谷の中、川沿いに佇む「黒薙温泉旅館」では、黒薙源泉が湧く大露天風呂(混浴)に入ることができます。
宇奈月からトロッコに乗車し、黒薙駅からさらに山道を20分進まないと辿り着けない黒薙温泉は、まるで秘湯です。トロッコは冬季休業するので、春~秋までの営業となります。
部屋からは勢いよく流れる川が見えます。山菜をふんだんに使用したお料理も、栄養満点で美味しいです。
目次
黒部峡谷鉄道トロッコで黒薙へ向かう
黒部峡谷鉄道
黒薙温泉へは、道路が無いため車で向かうことはできません。黒薙駅までトロッコで行き、あとは徒歩です。
黒部峡谷鉄道の乗車料金(片道) | |
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宇奈月駅→黒薙駅(25分) | 660円 |
宇奈月駅→鐘釣駅(60分) | 760円 |
宇奈月駅→欅平駅(85分) | 1980円 |
リラックス車両券 | +530円 |
普通車には窓がついていません。晴れている日は気持ちが良いですが、雨が降っていたり天気が悪い時は、窓付きのリラックス車両がおすすめです。
リラックス車両に乗る場合は乗車料金に加えて、さらに一人530円かかります。
普通車両(左)とリラックス車両(右)
黒部峡谷鉄道 宇奈月駅
黒部峡谷の雄大な自然の中を走っていきます。宇奈月駅から黒薙駅までは片道25分ほどです。
新山彦橋
新山彦橋をトロッコで通過中
黒薙駅から徒歩で黒薙温泉へ
黒薙駅からは山道を約20分ほど歩きます。足元が悪い場所もあるので、スニーカー推奨です。
さすが峡谷の山道とあって、歩きやすく舗装されているとはいえ、デコボコしていて危ないです。落石が危険な場所もあり、階段も踏み外さないように気をつけてください。
山道なので、日が落ちる前に向かってください。
黒薙駅までつながるトンネル(通行禁止)
実は、黒薙駅からトロッコ路線が分岐して、黒薙温泉付近までつながっています。
大昔(平成20年頃くらいまで?)は観光客も通行できたらしいのですが、現在では一切立ち入り禁止です。内部は危険な箇所もあり、関西電力の工事関係者以外は入れません。
手段が山道の徒歩しかありませんので、足腰に不安が無い方のみ向かいましょう。
黒薙温泉旅館
黒薙温泉旅館
山道を抜けると、雰囲気のある旅館が姿を現します。周囲の自然と調和した木のぬくもりを感じる素敵なお宿で、昔ながらの湯治場のようです。
平成7年に水害があり、黒薙温泉の建物は半分以上流されてしまいました。現在残っている建物は、水害の後に建て直されたものです。当時、宇奈月温泉への源泉供給も止まってしまい、何とか川を再度掘り起こして復旧作業が行われたとのことです。
黒薙温泉の記念スタンプ(受付、料金支払いする場所に設置)
薬師堂
黒薙温泉は、1645年に発見されました。黒部奥山一帯は、越後(新潟県)や信濃(長野県)へも通じる場所であったことから、当時は加賀藩によって立ち入りが禁止されていました。
しかしながら、これだけ良いお湯があるとなっては入りたくなってしまうのが人の心です。立ち入り禁止にもかかわらず、近隣の方々はこっそりと湯治に来ては、度々バレて加賀藩に怒られていたそうです。まさに、深山幽谷の「隠れ湯」でした。
1868年に開湯許可が下り、さらに大正時代に黒部峡谷の電源開発が始まってトロッコが敷設されてから、一般の方々への利用がどんどん広まっていきました。
料金
料金 | 14,200円~(1名) |
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宿泊営業期間 | 例年5月頃~11月半ばまで |
食事 | 2食付(夕食17:30・朝食7:00) |
チェックイン | 14:00~16:00 |
チェックアウト | 10:00 |
宇奈月に車を駐車して黒薙旅館に宿泊する場合、駐車券を旅館で渡せば無料券がもらえます。
一人で宿泊も可能ですが、ハイシーズン(GW、紅葉時期)はお断りされることもありますのでご注意ください。
黒薙源泉!秘湯の大露天風呂(日帰り入浴OK)
※これは温泉付近の支流。人がいたので露天の写真は遠慮した
源泉 | 黒薙温泉 |
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泉質 | 弱アルカリ性単純温泉(低張性高温泉) |
効能 | 神経痛・筋肉痛・五十肩・慢性胃腸消化器病・冷え性・痔病・関節痛・運動麻痺・打ち身 他 |
種類 |
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混浴の大露天風呂「源泉」は、広さ28畳相当もあり、黒部峡谷沿線の宿の中で最大の大きさを誇ります。ごつごつとした大岩に囲まれて、黒部川から採取した天然石を敷き詰めた浴槽で、大自然を満喫できます。露天風呂は混浴で、水着着用・バスタオル巻きでの入浴が可能です。露天の真横に更衣室があります。
女性専用露天風呂「天女の湯」は、黒薙川を高台から見下ろす形で入ることができ、美しい景色が堪能できます。女性専用とありますが、一部時間は男性専用に切り替わります。
内湯は24時間入浴可能です。カランもシャワーも源泉が使用されています。
夏場はアブに要注意
夏場はオロロ(※アブのこと)だらけでして、温泉にもオチオチ浸かっていられないくらいブンブン飛んでいて、しこたま刺されます。
申し訳ないですが…ぶっちゃけ夏は避けた方がよいと思います(内湯だけなら入れますが、せっかく黒薙まで来るなら露天入った方が良いですし…)。
5~6月頃、もしくは夏が終わって秋口の9~10月頃あたりがおすすめです。紅葉時期は綺麗ですが、人気シーズンなので混雑もしますので、上手いこと時期を見極めて予約しましょう。
日帰り入浴について
入浴料金 | 大人900円 子ども300円(未就学児無料) |
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受付時間 | 9:00~15:15 |
空いていれば客室を借りることもできます(要予約)。無料休憩スペースもあります。
部屋から見える黒薙川の景色
川側部屋はかなり轟音、苦手な人は山側部屋がおすすめ
木のぬくもり感じる館内、内部はかなり綺麗
お部屋にテレビはありません。ドコモ以外は電波が悪い(ほぼ圏外)ので、ご注意ください。デジタルデトックスで心身ともに癒されましょう
栄養満点!山の幸を味わうご飯
夕食
朝食
味のある手書きのメニュー
山の幸がふんだんに使用されたお食事、体に良いものばかりで、健康になれた気がします。美味しかったです。
秘境の一軒宿、おすすめです。
黒薙温泉旅館の基本情報
- 〒938-0282 富山県黒部市宇奈月町 黒薙
- 076-562-1802
- https://www.kuronagi.jp/
- チェックイン14:00
- チェックアウト10:00