萬翠荘を見学!ステンドグラスが素敵なフランス洋館

 

萬翠荘は、愛媛県松山市にあるフランス・ルネッサンス様式の洋館で、松山藩主の子孫(久松定謨)の別邸です。要人の社交場として利用されてきたそうです。

現在は、博物館として展示され、季節によってイベントが開催されることもあります。都会の喧騒から離れ、大正ロマンを感じる素敵な建物を静かに散策してみましょう。

萬翠荘のステンドグラス

 

入った途端広がるステンドグラスは圧巻。階段の踊り場に大きく配置されたステンドグラスは、よく見るとグラデーションで採色されています。

これはアメリカ式のステンドグラスに多い製作方法だそうです((西欧式ステンドグラスは単色で採色されることが多い模様。))。

 

 

ステンドグラスには船と海の波並が描かれています。主である久松定謨はフランスにゆかりのある人物で、海を渡った経験((1887年のフランス・サンシール陸軍士官学校入学、1902年のフランス公使館附武官就任にあたって。))があります。その時の情景を想起させるかのようなデザインとなっています。

また、こちらのステンドグラスは木内慎太郎氏((旧島津邸、大阪中央公会堂のステンドグラスも手掛けた人物。))の作品だと文化財調査(平成22年)で判明しています。

「木内真太郎ステンドグラス歴史展」

「ステンドグラス教室「PURE」作品展」

▲過去になりますが、萬翠荘ではステンドグラス教室の作品展や上記でご紹介した木内慎太郎にまつわる展示など、特別イベントが開催されたこともあります。

ちなみに2022年で萬翠荘は100周年を迎えます。100周年を迎えるにあたって、萬翠荘では「萬翠荘オリジナルソング作詞・作曲募集」なるイベントを企画しているそうなので、気になる方はチェックしてみるとおもしろいかも。

萬翠荘を見学しよう

 

坂の上の雲ミュージアムの隣にあることから、一緒に見学する人も多い萬翠荘。すっかり松山市の観光施設として定着しています。

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萬翠荘の拝観券を購入。大人300円です。

 

隣にあるカフェ(愛松亭)で坊ちゃん団子が提供されていることから、萬翠荘見学後に立ち寄る人も多い模様。萬翠荘を見学すると、愛松亭の10%OFF割引券が一緒にもらえます。

緑に囲まれて静かな時間を郷土菓子の坊ちゃん団子と共に過ごしてみるのも趣があります。

 

森永キャラメル箱デザイン者・八木彩霞が描いた松山平野

 

1階の扉上部には2枚の絵が展示されています。これは松山出身の八木彩霞(画家)によって描かれたもの。明治天皇の肖像画を描くなど、社会的に高い評価を得ていた人物です。

森永ミルクキャラメルのあの黄色いパッケージをデザインした方でもあります。お見逃しなく。

国際恋愛が刻まれた日露戦争時代の誓いのコイン!ロシア捕虜と日本女性看護師のロマンス

 

松山城二之丸の井戸の中から見つかった、日露戦争時代のコインの展示物があります。

日本側の捕虜になり松山の収容所へ入ることになったミハイル・コステンコ中佐(ロシア陸軍第3東部シベリア砲兵民旅団)でしたが、怪我をしていたため、二の丸跡にあった陸軍衛戍病院へ。そこで勤務していたのが看護婦タケバ ナカ(日本赤十字社第80救護班に所属)でした。もちろんいずれも実在の人物です。

2人は恋愛関係になりましたがそれが明るみに出ると、政治的な判断から引き離されてしまいました。タケバナカさんは解雇後され実家へ送還、コステンコは静岡の収容所へ行かされました。

 

 

この話は「ソローキンの見た桜」(2004年・南海放送)というラジオドラマとして放送されましたが、その後に金貨が発掘されたため、後付けで話の事実性が証明されたのでした。

さらに、「誓いのコイン」(2011年・坊ちゃん劇場にて)という作品でミュージカル公演もされ、後にロシアでも公演されました。以来、駐日ロシア大使も萬翠荘を訪問するなど、萬翠荘は日露の友好シンボルとしても機能するようになりました。

洋風のおしゃれ家具で楽しむ

 

フランス洋館ならではのおしゃれ家具が随所に配置されています。なかなか見かけることのないメルヘンな家具が多々ありますので、こちらも見学の楽しみの一つ。

1階には洋風グッズのお土産コーナーがあります。見学した後に記念に何か購入していくのはいかがでしょう。花柄コーヒーカップが可愛いかったな。

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